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春の野山で、土筆(つくし)や野芹を採った思い出。
「君がため 春の野に出て若菜摘む・・」の歌が頭をよぎる季節。 冴え冴えとした日差しの中、ピンと張りつめたまだ寒い空気の中で、 生まれたばかりの若い力がそっと土の中から顔を出す。
「ふきのとう」という響きにも、日本の春を想わせる独特の語感がある。
● ● ● ●春の山菜の魅力
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我が家では、春の香り達を楽しむための山菜てんぷらパーティーがこの季節の人気。
下ごしらえの段から、鼻孔は山菜達に支配され、揚げたてを口に放り込めば、鼻から口から、春の香りを満喫できる。 春の山菜達、それは、冬の間に蓄えていた力を一気に爆発させる若い喘ぎのようだ。
運動もせずに、冬眠モードに入っていた怠惰な身体を、春の香りで呼び覚ましてくれる。 皮下に脂肪を蓄えて、節約モードで貯め込んでいた体内の老廃物を春の苦みで追い出してくれる。
そんな力を持った春の山菜、毎年、刻み続ける大切な味覚と嗅覚の記憶だ。
● ● ● ●蕗うまさの秘密
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香りと苦みは言うまでもない。蕗のうまさはそれに加えて、食感と彩りだ。
澄み切っているのに、渋みのある、薄緑色。目にも優しい、なんとも日本的な色彩だ。 「筋の通った」茎を噛みしめる時の絶妙なテクスチャー。一本一本の繊維の管から香りと苦みが舌に押し寄せる。
水蕗は先に茹でて皮を剥く。縦にツーと剥くのが面白く、4歳の娘は必ず手伝ってくれる。 皮を剥きながら、時々の手指を鼻に近づけては「くちゃーい」と顔をしかめる。
剥いた半分は、青くきれいなまま、薄味をつける。酒、みりんに塩を加えて煮立てものに、つけておく。 残りの半分は、酒、みりん、濃口醤油、さとうで辛煮にする。
薄煮は漬け物やサラダのような感覚でむしゃむしゃと、たっぷり食べる。 辛煮はお茶請け日本酒のつまみ、ごはんの友にぴったりだ。 「蕗の薹(ふきのとう)」も忘れてはいけない。これは、蕗の花茎で、香りとほろ苦さにおいて
春の訪れを感じさせる抜群の素材だ。
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