旦那の居場所  

居酒屋のおやじを夢みて



居場所 4k


女将のダンナは「惣菜管理士」というあまり知られていない資格を持っている、 ただのサラリーマン。とにかく大の料理好き!・・で、このお店を間借りさせて あげることにしました。
名づけて「ダンナの居場所・・居酒屋のおやじを夢見て」
これからも色々な素材を取り上げていきますのでお立ち寄りください。


盛り塩、打ち水、木の格子。敷石、玉砂利、ししおどし。引き戸をあければカウンター。 ここは、住宅街の駅前・・はずれ。「お帰りなさい」なんて野暮な言葉はかけないで。 料理の手は休めず、「いらっしゃい」やさしい目だけが笑ってる。居酒屋のおやじを夢見て、 今日も食を愛で、食を楽しむ・・ダンナの居場所。

その第39回は・・・・

「ハンバ−グ」礼賛

山で業務用冷凍食品の営業に携わっていた時の話、オープン前のテーマパークの準備室に通い詰めた。料理長と一緒にメニューを考え、いよいよ自社商品の冷凍ハンバーグの採用に漕ぎつけた。開園後は連日の超満員、熱湯が煮えたぎる巨大な鍋から、ボイリングパックのハンバーグを取り出しては、次から次へと鉄板で焼き風味を付けていく。へとへとになりながら、皿に盛り付けるそばから、なくなっていくハンバーグ。ハンバーグの思い出といえば、GWの連休を一日も休まずに焼いた自社の冷凍ハンバーグを忘れることはできない。

● ● ● ●ハンバーグの郷愁● ● ● ●

々の世代にとってハンバーグは家庭で作るもの。育ち盛りには母親が作るハンバーグ1個でどんぶり飯を3杯は「おかわり!」した。家庭のハンバーグは具の玉ねぎのカットが大きく舌に残るところがしみじみとした味わい。「洋食店」と称する外食店で初めて「ハンバーグ」を食べたのは小学校も高学年になってからだが、プロの作ったハンバーグの絶妙の食感とナツメグの香りに言い知れぬ感動を覚えたものだ。「マクドナルド」や「ウエンディーズ」のハンバーガーを初めて食べた時の感動。用賀の「プレストンウッド」で食べたジュージューはねるハンバーグ。自分の成長と共に何故か「おいしいハンバーグ」も進化を遂げる。「ハンバーグ」にまつわる遠い10代の頃の記憶。自分のお財布で奮発するにはぎりぎり限界の、その時々のちょっぴり苦く酸っぱい、淡い思い出の名残ともいえようか。

● ● ● ●うまいハンバーグを焼きたくて● ● ● ●

「洋食」のプロに技を習ったことがある。簡単そうで難しい「ハンバーグ」。軽快なリズムの空気抜きは素人にはなかなか難しい。しかし、盗むべき技は、これだけにあらず。おいしく作るための重要ポイントが随所にある。具の下拵え、味付けと具のこね具合、最も難しいのは、焼き加減と焼き上がりの見極め。本当にうまいハンバーグはソースなど要らない。ナイフを入れた瞬間に中から出てくる肉汁、口に含んだ時の食感。フライパンの状態やオーブンの種類によっても微妙に勘所が変わるから、家庭で何回か試して「これぞ」という焼き方をマスターしたい。



・・ホントにうまいハンバ−グ料理あれこれ・・

「基本のハンバーグの具」

経験上、たまねぎは、ひき肉の半量程度がバランスとして良い。「洋食店」ではたまねぎは4分の1程度が主流と思うが、家庭のハンバーグは玉ねぎ多目がうまい。玉ねぎは香りと甘さのために3分の2をバターで炒める。食感のために残りは生のまま、細かめのみじん切りで使う。炒めた玉ねぎは良く冷やし、生のたまねぎ、牛乳で浸した生パン粉、玉子をひき肉に良く混ぜる。ひき肉は牛と豚の合い挽き。塩・胡椒・ナツメグで味付けする。肉類は焼く直前に塩を振るのが基本だがハンバーグは例外。塩を入れこねることで、塩がたんぱく質に作用してひき肉の粘着力が増し、食感を向上させる。とにかく良く練ることが肝心。あまり練るとひき肉がつぶれて食感が悪くなるのではと考え勝ちだが、これは反対。練りが足らないとボソボソのハンバーグになるので注意しよう。

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本当にうまいハンバーグにはソースは要らない。「オーソドックスなハンバーグステーキ」熱々をそのままふーふー言いながら食べるのみ。

オーブンを200℃で予熱。「基本のハンバーグの具」を厚めに成型。(手のひらを使ってよく空気を抜きし、最後はまな板にパンと打ち付けて包丁で成型)フライパンで両面を固める程度に焼き、バターを乗せオーブンで仕上げる。ソースは使わず、肉の風味とナツメグの香りを楽しむ逸品。

 


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「失敗しない煮込みハンバーグ」デミグラスベースのシチュー状のソースで煮たやわらかい「ハンバーグ」。「ハンバーグ」ってこんなにうまいの?と思うに違いない、失敗のないハンバーグ。


「失敗しない煮込みハンバーグ」

玉ねぎのざくぎり、にんにく・にんじんの摺りおろしをオリーブオイルで炒める。これに市販のデミグラスソース、ウスターソース、トマトケチャップ適量を入れてシチュー状のソースを作る。「基本のハンバーグの具」で作った小さ目のハンバーグはこんがり両面焼き、八分通り火が通ったらこのソースに入れて煮る。
いつまでも「熱々」。外側はかりっと、中はジューシー。味、豪華さ、失敗の無さ、どれをとっても自慢のハンバーグ料理だ。


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和風のテイストが加わるとハンバーグはとても上品な料理に変身する。ファミリーレストランでは普通のハンバーグに醤油ベースの大根おろしや、きのこのソースをかけたものを和風ハンバーグと名付けてはいるが・・・・。例えば、具に乾椎茸やたけのこ、ごぼうを使う。味付けに醤油や味噌を使う。香辛料に山椒を使う。ひき肉に牛肉でなく鶏肉を使う。和風ハンバーグの世界が果てしなく広がる「和のハンバーグ」

「和のハンバーグ」

たけのこ、なすを刻んで炒めて冷まし、「基本のハンバーグの具」に混ぜる。香辛料は山椒。団子状にまとめてナスの器に入れてオーブンでじっくり仕上げる。焼き味噌、しょうがのしぼり汁を添えて熱々を食べる。

 

旦那の居場所、今回は「ハンバーグ」のおいしさについてでした。フードプロセッサーがあれば、肉は自分で挽いた方がうまいようです。我が家ではクイジナートが威力を発揮します。手間はかかりますが、包丁でトライするなら塊でなく、うす切りをトントンすれば良いでしょう。一度お試しあれ。具は練りこんでいるうちに温度上昇し、風味を損ないますのでご注意を。 うまい「洋食店」に行き、タンシチューか、ポークチョップか、はたまたビーフカツレツか、なんてメニューを見ながら迷っていると、厨房の奥からぷーんと「ハンバーグ」の焼ける臭いが・・。え〜と、タンシチューと海老グラタンと、それから「ハンバーグ」も!なんて結局、この臭いに負けていつも「ハンバーグ」をオーダーしてしまうというから、ほんと「ハンバーグ」の魅力とは不思議なものです。

(02年4月 copywright hiroharu motohashi)

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