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「蕪」との出会いは、小学校の2年生。学芸会での「大きなカブ」に遡る。
その他大勢のネズミの役で、「大きなカブ」を引き抜いた。 抜けた瞬間大騒ぎ、見事ハッピーエンドとなるわけだが、 「?カブってそんなにおいしいの?」と、子供には馴染みの薄い野菜だったと思う。
● ● ● ● 蕪うまさの秘密
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蕪のうまさは、木目の細かい肉質にある。しゃきっとしている上に弾力のある肉質。
噛み心地を楽しんでいると、すぐに甘味が口中に広がる。 漬物、煮物、汁物。加熱の具合で食感も変化するし、肌の色も劇的に変わる。 舌でとろける柔らかさ。一瞬歯を跳ね返す弾力。しゃきっとほとばしる硬さ。
白磁のようなまぶしい白。繊維の模様を白く浮き出させた無色透明。 出汁をいっぱいに吸い込んだ飴色。 いずれも冬の凛とした空気に良く似合う。
昆布や鰹節のうま味との相性。白味噌や酒粕とは出会いもの。牛乳やバターともピッタリ。 鶏肉、えび、牡蠣、淡白な白身の魚にも良い。 茎や葉も、甘味とエグ味の対比が堪らない。糠床で漬けたり、ごま油で炒めたり。
炊き立ての白飯に乗せれば、何杯でも「ごはんがススム」。ああ、うまかいな、蕪。
● ● ● ● 小蕪、葉かぶに、大きなカブ●
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旦那の生家東京では、蕪といえば「金町小蕪」。緻密で滑らかな肉質、柔らかく甘い。
油揚げと一緒に葉や茎も入れての味噌汁は冬の東京の朝の逸品。 西に向かうと漬物がうまい。聖護院、日野菜、酸茎菜。千枚漬けや奈良漬けにはもってこい。
四日市在住の折り、奈良・京都への遠出には、必ず途中で鮮やかな赤首の「日野菜の桜漬け」を齧った。 長いの、丸いの、とがったの。白いの、赤いの、緑の。ちさいの、おきいの。
永年、日本各地の風土で培われた愛すべき野菜。 「金町小蕪」がないので、ここ広島では、「天王寺蕪」を求める。 大根のようにすりおろして、絞り汁を飲んでみる。なんともいえない上品な香気と甘さ。
胃袋に染み渡る真冬の蕪のうまさだ。 そういえば、野沢菜も蕪の一種。根部より葉を食べる「葉蕪」の王様。 それにしても、信州で食べる野沢菜はなんであんなに美味しいのだろう。
さあて、今日はどうして食べようか、あれこれ悩む、うまいかな、蕪。
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