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小学生の時分、トマトは夏のおやつだった。箱ごと買い冷蔵庫に補充。
喉もからから、遊びから帰ってきて、冷えたトマトを丸かじりする時のうまさ! 大人になってからの「ビールの最初の一杯」にも勝る至福の癒し。
かぶりつけば、じゅわっと果汁がほとばしり、まだ泥で汚れた手と顔が濡れる。 トマトの青臭さと手指の泥くささ、夕立のほこり臭さ、懐かしくも遠い、子供の頃の夏休みの臭いだ。
● ● ● ● いろいろなトマトたち
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はじめてミニトマトを見た時の感動は忘れられない。かつては機内食用に作られていたものだったとか。
とにかく、可愛くて、とても高くて、ちゃんとトマトの味がする小さな野菜。 そんな可憐なミニトマトに出会ってから、かれこれ20年くらいになるのではないか。
「完熟」という言葉はいつ頃から使われ始めたのだろう。 「完熟トマト」なるものを初めて食べた時のあの甘さの感動は忘れられない。 「え? ということは今まで食べていたのは熟していないトマトだったの?」となにやら不思議に思ったもの。
品種の進歩か、輸送の進歩か、株上で完熟したトマトも毎日買える値段で手に入るようになったのはありがたい。
「冷やしトマト」は最高の夏のつまみ。不思議と居酒屋では「くし切り」でマヨネーズ。
これがビストロやトラットリアでは「スライス」でドレッシングになる。 家庭では「トマトの輪切り」に何をかけるか。醤油と塩、醤油と砂糖、何故か塩派と砂糖派に分かれるようだ。
塩はトマトの風味と酸味を強調し、砂糖は甘さを増やしてマイルドな味になるようだ。
イタリア語では「ポモドーロ」。直訳では「黄金の果実」。トマトはイタリア料理には欠かせない。
少し先の尖った細長い真っ赤な奴で、「サンマルツァーノ」「ローマ」種が代表格。 パスタ、ピザ、煮込み料理、とにかくオリーブオイルやニンニク、バジルとの相性は抜群だ。
トマトのうま味がイタリア料理の隠し味であることに間違いはない。
 
● ● ● ● トマトうまさの秘密
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トマトのうまさは、何と言っても、あの酸味と甘みの好対照だ。酸味の主成分はクエン酸。
かぶりつけば、皮が裂けると同時にゼリー部がじゅわっと飛び出し、種のつぶつぶが舌に残る。 酸味や甘みに劣らずうま味も強い。果肉が緻密で締まったものほどおいしい。
トマト臭さや皮の硬さは好みによるだろう。 料理のプロがトマトを使う時は、皮を湯むきし、種を取ることが多い。 何故そんな手間をかけるのかが不思議な方は、一度お試しあれ。
皮を剥いたトマトは舌に優しく口に清々しいし、種を取り除いたトマトには苦みが残らない。 取り除いた種だけを食べてみると、種が如何に苦いものかよくわかる。
特に、缶詰のホールトマトなどは種を取りたい。トマトソースなど作れば、この手間の差は 味に如実に現れる。 夏の間はうまいトマトを、とにかくたくさん食べたい。きりりと冷えた夏野菜の王様、ああ本当にうまいかな、トマト!
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