旦那の居場所  

居酒屋のおやじを夢みて



居場所 4k


女将のダンナは「惣菜管理士」というあまり知られていない資格を持っている、 ただのサラリーマン。とにかく大の料理好き!・・で、このお店を間借りさせて あげることにしました。名づけて「ダンナの居場所・・居酒屋のおやじを夢見て」
これからも色々な素材を取り上げていきますのでお立ち寄りください。


盛り塩、打ち水、木の格子。敷石、玉砂利、ししおどし。引き戸をあければカウンター。 ここは、住宅街の駅前・・はずれ。「お帰りなさい」なんて野暮な言葉はかけないで。 料理の手は休めず、「いらっしゃい」やさしい目だけが笑ってる。居酒屋のおやじを夢見て、 今日も食を愛で、食を楽しむ・・ダンナの居場所。

その第33回は・・・・

  豚肩ロ−ス礼賛  

み締めると、ジュワーと口中に広がる肉の旨味。肩ロースのうまさは筆舌に尽くし難い。スーパーで手軽に手に入るブロック肉は、もも、バラ、肩ロースの3種類。5年ほど前、赤坂の四川飯店で修行をしたという中国料理のプロに、叉焼肉(焼豚)の作り方を授かった。それ以来、この肩ロースとの出会いが肉料理の奥行きを果てしなく広げてくれた。

● ● ● ●肩ロースうまさの秘密● ● ● ●


肉を礼賛するのは「豚バラ」に続いて2回目。しかして、この「豚肩ロース」には「豚バラ」にはない魅力にあふれている。
渾然一体となった脂肪と肉の旨味、肉質は締まっているのに柔らかく歯切れが良い。肩ロースは豚の首から背中にかけての肩の部分の肉。普通のロースより赤味を帯びた筋肉の間には、細かい脂肪があり、霜降り状になっている。だから、適度な歯応えがあり、噛めばジュワーとジュシーでコクがある。焼豚、焼肉、ひき肉、煮込み料理、ソテーどんな料理にも対応できる。この肩ロースに続く背中の中央部分が、木目の細かく、周囲に適度な脂肪がついている、とんかつでお馴染みのロース。肩ロースはロースに比べるとずっと廉価。しかも、豚肉の旨味をダイレクトに堪能できるという点では、ロースやヘレにも勝る。まさに、豚肉好きにはたまらない最高の食材、うまいかな、「豚肩ロース」!

● ● ● ●これさえあればの肩ロース● ● ● ●


が家の手作りとんかつは、肩ロース。固まりを買って好みの厚さにカットする。2cm程度をさっと筋切りをしてパン粉をつけて揚げる。硬過ぎず柔らか過ぎず、歯切れの良い最高のとんかつができる。紅茶で煮豚にしても良い。脂肪の比率がバラより少ないから冷めても脂肪が舌に残らない。かたまりを茹でて切り分ける。ビールにもワインにもあう絶品のオードブルになる。肩ロースはハムでもうまい。モモやロースもいけるが、味わい深さでは断然ショルダーだ。カレーでも是非お試しあれ。もものブロックを使うよりはるかにコクが出る。これさえあればの肩ロース、さあて、一丁、どうやって料理しちゃおうか。



・・家庭でもほんとにおいしい、豚肩ロ−スあれこれ・・

簡単で本格的な叉焼肉(焼豚)、本来はレンガ製の?爐(カオルウ)でつるしながら、じっくり炙るものだが、家庭のオーブンでもほぼ問題なく出来上がる。漬け込むタレには、紅乳腐を入れると格段の味になるのだが、常備できないのでコクの補強には舐麺醤や豆?を使う。試行錯誤の末、ほぼ狙い通りのレベルまで行き着いた「簡単叉焼肉」

豚肩ロースのブロックを味がしみ込むようにフォークでつつき、タレに4〜5時間漬け込む。260度程度のオーブンで約20分、時々タレを塗りながら焼き上げる。

タレ=醤油、砂糖、紹興酒、塩、胡椒、味の素、しょうがの皮、にんにく、ねぎの青いところ、以下はあればベター 山椒の実、豆鼓(ドウチ)、舐麺醤、八角
(タレは舐めてみて甘すぎるかな?くらいの甘めでOK。あの独特の香りが苦手なら、山椒や八角は使わない。)
※紅乳腐=発酵させた塩漬けの豆腐
※豆?=大豆を発行させて作った、大徳寺納豆のような風味の中国調味料 刻んで使うが、最近ではペースト状の使いやすい瓶入りタイプ「豆?醤」もある。
※舐麺醤=小麦粉を原料とした甘い味噌、瓶入りのものが手軽、八丁味噌に砂糖、植物油で手作りしても可。


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肉がジュージュー焼ける時の音と匂いは最高のアペリティフ。事前に仕込んでおけば、調理時にキッチンに立つのは5分程度。来客をもてなしながら、豪華なメインディッシュが簡単に用意できる。「オリーブのソース、レモン、マスタード、ホースラディッシュ、辛子醤油・・好みの味付けでどうぞ」と勧める「肩ロースのオリーブ焼き」


豚肩ロースのブロックに塩・胡椒をもみこみ、オリーブオイル、好みのハーブ、にんにく、刻んだオリーブ、少量の砂糖と一緒にビニール袋へ。4〜5時間じっと寝かせる。フライパンで周囲をこんがりきつね色に焼いたら予熱済みのオーブンへ。
250度で15分程度、取り出したらアルミホイルに包んで、触れるくらいの温度になったら切り分ける。
よくあう「オリーブのソース」=バルサミコ酢を弱火でトロミが出るまで充分に加熱し刻んだオリーブを入れる。


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北海道 帯広駅の近くには、うまい豚丼の店がある。醤油ベースであっさりとしているが、肉の旨味を最高にひき出す味付けだ。横浜の中華街にも、豚丼のうまい店があって、学生時代によく通ったものだ。こちらは塩茹でのシンプルなもの。いずれしても、熱いご飯の上に、どばっと豚をかけて頬張るロジカルさは、何故か興奮を誘う。「豚肩ロースの大胆どんぶり」、興奮と感激の割には、手間のかからない料理だ。


肩ロースは厚さ1cm程度にスライスし、ウイスキー、塩、胡椒を揉み込んで、最後にさっと片栗粉をまぶす。フライパンに少量の油を引いて肉を両面こんがりやく。この際、クリスピーカバーを使えば表面はカリカリ、中はジューシーに焼き上がる。
最後にさっとタレをかけて表面に煎りつける。熱いご飯にのせるも良し、ビールのつまみにするも良し。

タレ=醤油、みりん、日本酒、しょうが
(写真は「どんぶり」でなく「おつまみ」仕様)

 

旦那の居場所、今回は「豚肩ロース」のおいしさについてでした。 豚肉は必須アミノ酸をバランス良く含む、高タンパク食品。ビタミンB1も多い。 脂肪は多いが、リノール酸など不飽和脂肪酸の割合も多く、意外と コレステロール値は高くはない。にんにく、ねぎ、にら等ビタミンやミネラルたっぷりの、甘味のある野菜との相性も良いからいろいろな料理方法でたっぷり食べたい。 余分な脂を落とすには直火で焼くのが一番だが、家庭では難しい。 オーブンや圧力鍋を駆使して、自慢料理を生み出す工夫がまた楽しい。少量の砂糖やウイスキーは最良の隠し味。とにかく、中国風、和風、イタリアン、どんな味付けにしても、この上なく美味い。その上、、ビールにワインにご飯にパンにと、何にでもあってしまうというから、ホント「豚肩ロース」の魅力とは不思議なものです。

(01年10月 copywright hiroharu motohashi)

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