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ニンジンといえば、いつもニンジン人参目当てに疾走するTV漫画のうさぎを思い出す。小学生の時分、野生のうさぎを小学生時代にうさぎを裏庭で飼ったことがある。警戒心の強いこの野生のうさぎにえさをやるのに苦労した。生のニンジンをそっと金網から差し入れて食べさせる。長いこと小屋の前にしゃがんでは一緒にニンジンをバリバリ食べたものだ。怯えた動物にえさをやる場合は、まずそのえさを自分が食べてみせるに限る。小学生の僕は本気でそう考えていた。
● ● ● ● 人参のうまさの秘密 ●
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ニンジンのうまさは、自然で慎ましく、素朴で深い甘さにある。ニンジンの甘さを引き立てるには、オレンジ等の柑橘系の酸味や、牛肉やバターなどの動物性脂肪がうってつけだ。肉質は緻密で、生で食せば「バリバリ」、煮ると「ほっこり」と柔らかくなり、変化が楽しめる。外側は色の濃い肉部、内側が少し白い心部で、心部は硬く味も落ちるような気がする。ニンジンの香りは独特で、これはもう「人参臭さ」としか例えようが無い。土臭さも気になることがある。この臭さが苦手という方は、丸ごとさっと蒸すとかなり和らぐ。蒸すことで、水分と一緒に臭いも飛散するように思う。しかし、ニンジン好きは、この風味が堪らないわけで、生で齧った時の風味は最高だ。
● ● ● ● ニンジンの料理法アレコレ ●
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ニンジンの一番好きな食べ方は糠漬けだ。生ニンジンのバリバリッとした食感はそのままに、臭さが抜け甘味が増す。生といえば繊切りにしてそのままドレッシングで和えたり、塩もみして胡麻和えにして食べても美味い。繊切りは、半生程度の過熱加減でコンソメスープの浮き身としてもうまい。植物油脂との相性も良いので、ごま油やオリーブオイルで和えたり、炒めても合う。均一に火が通り味が染みたニンジンも最高で、スープ、シチュー、煮物などじっくり加熱する料理は本当に多い。橙色の西洋種はオールマイティー、アジア型の紅色の京にんじん(金時)は、やはり煮物などの和食に合うように思う。ペースト状にしてスープやソースにしたり、ドゥーに混ぜてニンジンパンを焼いてもうまい。関西では、人参菜もよく見かける。若いニンジンの葉そのもので、スーパー等でごく普通に手に入る。せり科だけに葉の様子はせりかハーブかという感じ。おひたしやサラダ、和え物等、用途は広い。
● ● ● ● 「ニンジン」の個性と相性 ●
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ニンジンは本当に面白い野菜だ。購入頻度は極めて高く、食卓にのぼる回数も多い。しかし悲しいかな、メイン食材にはなり得ない。キャロットスープ、キャロットジュース等、ニンジンメインのメニューもあるが、これとて、決してニンジン100%ではない。ニンジンだけでは風味が強すぎる一方で、味が単調で飽きやすい。洋の東西を問わず面白いことは、複数の素材の間を取り持つ緩衝材として、ニンジンを利用していることだ。風味の点では、でしゃばらない味と自然な甘味で、素材と素材をつなぎ止めたり、つけ合わせとしてメインの料理を引き立てたりする。食感という点でも、「ほっくり」や「しんなり」した柔らかさで全体をまとめる役割を果たしている。例えば「きんぴらごぼう」も、ニンジンが入ることで、食べやすくなり、ごぼうの食感も引き立つ。炊き込みごはんや散らし寿司、カレーやシチュー、グラッセ等のつけ合わせ等、風味や食感の点で、こうした役割をニンジンが果たしている料理はたくさんあると思う。もう一つ食感がしっくり来ない、色目がさびしい、風味がまとまらない、こんなときはニンジンを加えると満足できる料理に生まれ変わること請け合いだ。奥ゆかしくも、なんと頼りになることか、ああ、うまいかな、ニンジン。
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