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ピーマンのうまさがわかるようになるまでには、人生として少々の時間を要するようだ。しかも、一時期、「その話ピーマン」とか「あの男ピーマン」なんて良くない流行言葉にも使われた。「ピーマンのように中身がない」ことの例え通り、この野菜、中は空洞だ。しかし、侮るなかれ!見てくれと違い、付き合えば付き合うほどに、味のある奴だとわかる、奥の深い野菜なのだ。
● ● ● ● ピーマン
買う勇気 楽しむ勇気 ● ● ● ●
家庭ではどんな料理にピーマンを使うことが多いだろうか。この野菜、何にでも使える常備菜というわけではないようだ。肉詰め、炒め物、チキンライス、てんぷら、用途は比較的限られる。一袋に4〜5個入って売られていることが多いが、何に使うか、決めてからでないと手が出しにくい野菜の1つだ。ほのかな苦味と渋味、そして独特の青臭さ。子供が食べられない野菜の代表選手ときている。ピーマン?なんて我が家では買ったことがない!というご家庭もあるのではないか。さあ、今回は敢えてこのピーマンの魅力を掘り下げつつ、思いっきり楽しんでみたい。
● ● ● ● ピーマンの色めく時 ●
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あの苦くて青臭いピーマンが燦然と輝き色めき立つ、うまい食べ方を考えたい。僕の最も好きな食べ方は刺身だ。その名も「ピー刺し」。新鮮な奴をさっと洗って種を取り、「アジシオ」をさっと振って食べる。何故か味付けは「アジシオ」に限る。齧りつけばシャキっとした音とともに、口中に青臭いジュースがほとばしる、これが堪らなくうまい。もちろん、さっと網で焼いても良く、ビール、サワー、ホッピーあたりとの組合せはもう最高。
青臭さが嫌いでなければ塩もみもうまい。生のピーマンを塩でもみ、かつおぶしや塩こぶなどと和える。新しょうがの漬物やゆかりとまぶしてもいとをかし。紹興酒に漬けたり糠漬けでもまたOK。
それから、この野菜、油との相性が抜群だ。炒めることで甘みが増し、油の効果で独特の臭みも消える。だから、てんぷらもうまいし、炒め物(青椒肉絲が代表だ)などしめたものだし、どうしてどうして油味噌にするのがうまい。油味噌は茄子で作るより、滋味深く格調高い逸品が出来上がる。ということは、味噌や砂糖との相性も良いということ。
それに、もともと辛くないトウガラシがピーマンと呼ばれるようになったわけで、香辛料的使い方はバッチリだ。みじん切りをサラダやピラフに入れたり、輪切りをピザに載せたりするだけで、料理がパッと色めくほどにうまくなる。カレーやカポナータ(仏ではラタトゥイユ)には欠かせない脇役だ。
● ● ● ● いろいろなピーマンを試してみると ●
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イタリアンレストランで大きくて真っ赤なピーマンを初めて食べた時の感動は忘れない。赤や黄色、オレンジのこの外来種のジャンボピーマンは、「ピメント」等と称して、出はじめはとても高価でオシャレなピーマンだった。アジアからの輸入モノがスーパーに並んでからは、値段も買いやすくなり、最近では、水耕栽培やバイオもの、ビタミンやカロチンが多い珍種も出回り、ピーマンバラエティーは急拡大だ。イタリアンのブームがけん引役としては大きいが、料理本や料理番組などでも盛んに使われるようになり、あっという間に家庭にも広まった。赤や黄色のこのピーマン、肉厚で、しかも完熟しているから甘みが強い。従来の中果種の緑ピーマンよりもずっと用途は広いといえるだろう。
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