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「私は無類の蕎麦好き!」と思っている御仁は多い。旦那もその一人。
岡山、広島在住時代も、うどん文化の中で、うまい蕎麦探しに没頭した。 たまさかの東京出張では、まっすぐに蕎麦屋に直行したものだ。 朝一番の飛行機で移動して、「よし田」に暖簾がかかるまで、銀座をうろつくなんてことも多かった。
蕎麦切りを自分で打つのには何度も挑戦した。プロの指導も受けたし、 諸説を分析しながらうまい蕎麦の打ち方を解析したりもした。
しかし、本当にうまい蕎麦を食いたければ、うまい蕎麦屋に行って食べる、ことだという結論に行き着いた。
うまい蕎麦との最初の出会いは、「深大寺蕎麦」だったかもしれない。 子供の頃、家族と多摩にお墓参りに行く度に、深大寺へ寄っては鱈腹食べた。
業務用の営業時代は、蕎麦屋さんにもお伺いした。
厨房に入り、だしを引く寸胴を覗きながら、だし取りの工程を確認する。
まさに百店百様のやり方があるわけで、朝早くからの重労働。 どんなに材料を吟味し、手間を惜しまず、腕を磨いても、一杯の蕎麦の値段は高いところでもせいぜい2千円止まり。
そう考えると「蕎麦切り」作りにかかる付加価値、技術料はもっと高く評価されても良いかも知れない。 これからの心配は、ますます蕎麦屋さんが街から姿を消していくということ。
● ● ● ●蕎麦切りうまさの秘密
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蕎麦切りのうまさは、なんといっても、あの香気と喉ごしだ。
ぷーんと攻め来る独特の香り。腹が減ってなくても、条件反射で胃袋が隙間を作る、なんとも形容しがたい香りだ。 蕎麦の産地や季節、蕎麦粉の鮮度や細かさ、殻の入り具合や挽き方、つなぎの種類や比率等香りを決める要素は多い。
もちろん、つゆの持つ香りとの相性やコントラストも重要だ。 そして、喉ごし。うどんが噛んだときのテクスチャーを楽しむ料理なら、蕎麦切りは噛まずに呑み込んだ時の
喉ごしを愛でる料理だ。麺の番手・長さ、蕎麦粉の粗さ、茹で加減に締め加減、表面の温度や乾き具合によって決まる部分だ。
しかし、何より楽しいのは、食べ方のバラエティ。かけつゆにいろいろなトッピングを入れて良し。 シンプルな「もり」も薬味のバリエーションで、同じ蕎麦かな、と思うくらいの変化を楽しめる。
蕎麦の中に季節の香りや旬の素材を打ち込む変わり蕎麦など、変化を楽しむ食べ方の筆頭だ。 これからの季節は鴨だなあ。冷たい蕎麦を鴨と焼きネギのたっぷり入った温かいつゆにつけて食べる「鴨せいろ」。
こんなうまい組合せを考えた日本人の智慧に感謝、感謝。旦那の実家の年越蕎麦、近年では「てんぷら」より「鴨せいろ」に 人気が移っているようです。
● ● ● ●うまい蕎麦屋は?
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うまい蕎麦屋、良い蕎麦屋とは,どんな蕎麦屋か?材料へのこだわり、腕の良さ、産地との距離、水の良さ、酒が飲める店等々。
しかし、本当にうまい蕎麦屋とは、人それぞれの記憶に残る店のことだと思う。 そこで交わされた会話、楽しかった時間が、蕎麦の香りとだしのにおいと共に、脳細胞に刻まれていく・・・。
旦那の家の近所の「満寿美屋」は、無名の何の変哲もない蕎麦屋だが、子供の頃、母親の仕事が忙しい時に、 よく出前で食べた店だ。蕎麦屋といえば、そこしか知らなかった時代が長い。今食べても、何故か懐かしく本当にうまいと思う。
学生時代に、当時柔道部の監督だった橋本先輩に連れて行って頂いた銀座「よし田」も好きな店の1つ。
鴨鍋のあまりのうまさに絶叫し、いったい何人前の鍋を平らげ、何本のお銚子を呑み、何枚の盛り蕎麦を食ったのかも覚えていない。 神田の「まつや」に行くと、先代の店主
小高先輩を思い出す。大学の柔道部の先輩で、温厚だが筋の通った先輩で 寄付を頂きに伺うとてんぷら蕎麦を振る舞ってくれるというので、部員には人気の先輩だった。
初めて出された「蕎麦湯」の飲み方がわからず、湯呑みに入れて飲んだ後輩もいた。
昼飯を食う時間もない程忙しい時代に助けられたのは立ち食いの「小諸そば」だった。 気がつけば一日3食すべて「小諸そば」で食事をしていた日もあった。蕎麦?にかじりついて、頑張った時代を今でも思い出す。
● ● ● ●自宅で食べるうまい蕎麦
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我が家では「そばの里」さんから取り寄せる乾麺が定番。腰の加減と長さが嬉しい。
生蕎麦を買うこともあるが、余程計画的に買い回らない限り、うまい蕎麦には巡り会えない。 保存の為のアルコール臭を嗅ぎながら蕎麦を茹でる羽目になる。
この点、乾麺は湿度等保存状態を心がければ、ほぼ一年中、同じ品質。我が家では100%「もり」蕎麦で「かけ」はやらない。 自宅で食べる蕎麦切りの楽しさは薬味にある。新潟あたりの辛み大根が手に入れば、蕎麦を茹でない法はない。
大根の絞り汁に蕎麦をつければ、もう極楽。「七味だけ」というのも乙なモノ。 ごまやクルミの変わり汁に挑戦するのも楽しいし、柚子や茗荷等、季節を感じるのも、いとをかし。
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